アメリカオニアザミ

アザミの仲間の帰化植物は多い。アメリカオニアザミは葉の鋸歯が鋭く、総苞片も鋭く尖り、見るからに触ると痛そうである。牧場などの草地にあらわれるとウシなどを傷つけ問題視される。街中でも見かけ、植え込みのなかから立ち上がり紫色の花を咲かせているとよく目立つ。アゲハチョウやヤマトシジミなど街中のチョウたちが頻繁に吸蜜に訪れる。

ジャノヒゲ

神社などで見かける細い葉の塊。キジカクシ科ジャノヒゲ属の植物、ジャノヒゲ。「蛇の髭」と書く。ヘビには髭がないので、この「蛇」は、ほかの生き物を指すのだろうか。それとも漢字は当て字でまったく別の意味なのだろうか。冬に葉の根元につける濃紺の実はきれいだ。花の時期は初夏で穂状に淡紫色の小さな蕾をつけるが、すべては咲かない。雨上がり、つやのある緑の葉叢から小さな花がのぞいている姿はかわいらしい。

ツユクサ

初夏の野草といえばツユクサを思い浮かべる。朝方歩いていると、路傍や公園の片隅などで青色の花を点点と咲かせている。昼には花はしぼんでしまう。そのはかなさが朝露に似ていることからツユクサと呼ばれるようになったといわれる。花由来の青い色素は水に溶けやすいので染物などの下絵に使われたという。和歌にも詠まれ古くから愛される花。

ホタルブクロ

ホタルブクロはキキョウ科の野草。晩春から初夏にかけて釣鐘状の花を咲かせる。属名はカンパニュラといい「銀河鉄道の夜」の登場人物の名前を思い出す。写真は白花。かつては赤紫色の花がよく見られた。都市部でも見かけるが、風を受けていくつもの釣鐘が垂れ下がる姿は、広い田野の片隅が似合う気がしている。ホタルの袋という名前ではあるが本当にホタルは中に入るのだろうか。

12号・クサカゲロウ

「HANAYASURI」12号で紹介したクサカゲロウです。クサカゲロウはアミメカゲロウ目クサカゲロウ科昆虫の総称。ふわふわと飛んでいる姿は繊細な雰囲気ですが、捕まえるととても臭い。臭いからクサカゲロウ(臭いにおいを出さない種もあります)。家の天井や木の葉の陰、枯れ葉などに産み付けられた複数の白い小さなたまごは優曇華(うどんげ)の花と呼ばれます。

オオキンケイギク

北アメリカ原産。春から初夏にかけて河川敷や路傍を一面黄色い花で覆う。かつてセイタカアワダチソウとともに旺盛に広がり田野や路傍などいたるところで群落をつくった。植物の繁殖は、季節の風景を大きく変えるが、時代とともにひとつの原風景となっていく気がする。

シュレーゲルアオガエルの鳴き声

シュレーゲルアオガエルはアオガエル科のカエル。森や水田などに生息し、春先から鳴きだす。カエルの鳴き声というとゲコゲコという印象だが、シュレーゲルアオガエルの鳴き声はコロコロとしている。銀の笛と表現する人もいる。民族楽器のようという人もいる。ほかのカエルが大合唱している田でも特徴のある声は聴きとることができる。

ヒルガオ

子どもたちが育てたり、玄関先に植木鉢とともにおいてあったり、日本の初夏の象徴であるアサガオ。大陸から入り、園芸品種として古くから親しまれるアサガオに対し、ヒルガオは日本固有種とされる。線路沿いのフェンスなどに絡んだヒルガオが咲き、少し増え始めると、梅雨の気配を感じる。帰化植物の近似種にはコヒルガオ、セイヨウヒルガオなどがある。地下茎を伸ばし旺盛に繁殖する。

13号・二枚の写真

現在配布中の「HANAYASURI」13号の二枚の写真。タンポポの花の上で何かを探しているのは成虫になる前のヤブキリ。大きく写っていますが体長は約2センチ。よく目を凝らすと、さらに小さな虫が花びらの陰に写っています。丸い目のちょっととぼけた表情でヤブキリを見上げる様子は、見つかった!と焦っているようにも見えます。

エノコログサ

一年中どこにでもある印象のエノコログサ。小穂を伸ばす季節は初夏。エノコログサが路傍に出てくると春から季節が移る気配を感じる。エノコログサの仲間にはキンエノコロやオオエノコロなどがあり、種内変異が多く雰囲気の異なる個体もよく見かける。エノコログサは「狗尾草」(いぬのしっぽぐさの意)と書くが、爽やかな青空の下に揺れる姿はねこのしっぽを触りたくなるときの気分に似ている。