ツワブキ

街中の庭園や公園などにも植えられているツワブキ。海に近い場所に自生し、冬場に黄色い花を咲かせる。フキとともに食用とする地域もある。漢字は「石蕗」と当てられる。葉はフキよりもつやがあり、厚くかたい。冬、寒風が吹く枯れた風景に色をつける花。

イヌホオズキ

ナス科。田畑や線路沿いの草地などで、よく見かける野草。夏から秋にかけて白い花を咲かせるが、春など、ほかの季節でも見ることがある。ワルナスビが全体的にとげとげしく近寄りがたいのに対し、こちらの葉や茎はやわらか。アメリカイヌホオズキやテリミノイヌホオズキなど一見しただけでは見分けにくい近似種も多い。

ヒメツルソバ

タデ科。街を歩いていると、路傍にピンク色のくす玉が広がっているのを見かける。花期は周年なので、長く咲き続けてくすんでしまっていることも多いが、色味がきれいな時期によく見ると、花の色に濃淡があっておもしろい。

マルバルコウ

ヒルガオ科。夏から秋にかけて、草むら、川沿いなどでつる植物が花咲かせている様子をよく目にする。ろうと形の花の多くは、ヒルガオの仲間としてさまざまな種が存在する。これらの種の繁茂する力はとても強い。マルバルコウは熱帯アメリカ原産。朱色の花は色味が強く、小さいがよく目立つ。

ミゾソバ

タデ科。夏から秋にかけて田の水路や水辺をおおうピンクと白の花。群がって生えている。花は茎の先端にかたまって咲き、ひとつひとつが5裂する。花弁ではなく、がく。開いていないものが多く、ひとつふたつ開いている姿はかわいらしい。よく繁茂した場所で一面ミゾソバが咲いている光景もしばしば見かける。

シュウメイギク

キンポウゲ科。シュウメイギクの花弁は退化していて花びらに見えるのは、がく。牡丹色をしたもの、白色をしたものなどを見かける。5弁ほどの印象だが、もともとは八重のものをシュウメイギクといい図鑑などで紹介されている。街中などでよく見られるものは交雑種といわれる。英名はジャパニーズ・アネモネ。

フジバカマ

キク科ヒヨドリバナ属。長い距離を移動し生活することで知られるアサギマダラが吸蜜に訪れる花のひとつ。花の淡い色味は繊細。茎の先端に集まった花からは白糸のような雌しべが伸びる。山上憶良が詠んだ万葉集の歌に登場し、秋の七草に数えられる。

オオハルシャギク

コスモス。世界中で観賞用に育てられ品種改良されている。原産地はメキシコ。近年、明るい黄色やオレンジの花を咲かせるキバナコスモスがあちらこちらで目立つようになった。秋から冬にかけて道端を鮮やかに彩っているが、昔ながらのコスモスの色は目に和む。淡紅や濃紅、白の花が混じる風景は秋の青空によく合う。

チヂミザサ

縮み波打ったような葉であることからチヂミザサ。夏から冬にかけて野道や草むら、林床などに広がる。花序には白い毛が密生していて、木漏れ日にあたるときれい。小穂は粘液で動物などにくっつくが、草丈が15~30センチほどとちょうど足元の高さであるため、生えている場所を少し歩いただけで服や靴が小穂だらけになる。とるのが一苦労。

ハマスゲ

浜菅。スゲの仲間は、カヤツリグサ科スゲ属にはいるが、ハマスゲはカヤツリグサ属。田畑や街で赤みの強い小穂はよく目に留まる。名前のとおり海の近くでも見かけるが、海浜植物が生育するような浜辺よりは、堤防沿いの路傍などでかたまって生えている印象。アフリカのある地域では古代人が食していたという。塊茎は漢方薬に用いられる。