鳴く虫の観察会

秋の涼しさがよく感じられる昨日19日、阿久比町にて鳴く虫の観察会を行いました。空は雲がかかっていましたが、前日の大雨のあとで気温も下がり過ごしやすくなりました。

写真は、鳴く虫の音を観察した場所です。道の左側は鉄道の法面で、野草がおおっています。このような場所をマントと呼びます。こちらではマツムシの音が多く聞こえました。高く、よく目立つ鳴く音です。チンチロリン、という聞きなしで知られますが聞こえ方は人それぞれ違うようです。リーンリーンというスズムシは、今月上旬ほど多くありませんでしたが、まだ聞くことができました。ほかにはリリリリリ……と切れ目なく続くツヅレサセコオロギ。リリリリリリ、リリリリリリ、と落ち着いたテンポで鳴くハラオカメコオロギの音が聞こえました。

右側の田ではエンマコオロギが鳴いていました。コロコロコロリーという聞きなしで知られますが、聞こえ方は人それぞれ違うようです。分かりやすい音で、ほかの場所でも聞くことができました。

場所をかえて、写真の道の両側に広がる田んぼから聞こえてくる音です。田ではキリギリスの仲間がよく鳴いているのですが、キリギリスの仲間はコオロギの仲間よりも聞き取るのがむずかしいです。この日は、オナガササキリがジャッ、ジャッ、ジャッという音でよく鳴いていました。ほかにはジィ・ジィ・ジィ・ジィと急くようなテンポのタンボコオロギが聞こえました。またコオロギ・キリギリスの仲間ではありませんが、鳴く虫として知られるケラのグルーーーという低い音が聞こえました。

写真奥の土手周辺では、リリリリッ、リリリリッという切れのある音の、ミツカドコオロギ。ジーーーという音のシバスズの仲間(シバスズ、マダラスズ、ヤチスズなどがいます)。

この二時間弱で聞こえた音は、およそ10種類。秋も深まってきて種数としては少し減っている印象でしたが、それでも多くの音を聞くことができたと思います。

写真はセスジツユムシ。川付近の白いガードレールの上に止まってたキリギリスの仲間です。音は、シャッ、シャッと切れ目のある音が続き、だんだんと間隔が短く速くなり、最後はシャーツシャーツシャーツと数回鳴いて終わります。気にしていると畑や草むらなどから聞こえてきます。

参加してくださったみなさま、ありがとうございました。

 

26日(金)、27日(土)の観察会はまだ受け付けております。お時間ある方は、ぜひご連絡ください。

 

観察会・カンタン

かつては、その音を聞くためにツアーが組まれたというカンタンですが、街中でもヨモギの茂る場所などに生息しています。明治時代に小泉八雲が記した虫価格では12~15銭とされ、そば一杯が1銭で食べられた時代に、それなりの値段がする鳴く虫でした。明日19日(土)の「鳴く虫の観察会」では、カンタンが翅を立てて鳴いている姿を、赤いセロファンをつけた懐中電灯を照らして見てみます。

明日正午頃まで参加を受け付けています。お時間ある方はぜひご連絡ください。

※ご連絡なしでの参加はお断りしておりますのでご了承ください。

 

観察会・一週間前

ざっと降る雨が幾たびかあり、少しずつですが夕方は涼しさが感じられるようになってきました。上の写真は観察会一週間前の様子です。

18時頃です。周りに高いものが少ないので空の様子がよく分かります。集合時間の18:30はまだ少し夕方の光が残っているでしょうか。ここから30分も経たず暗くなり、晴れていれば星座もよく見ることができます。

さて、鳴く虫の様子ですが、8月下旬から大きく変わったことは、タイワンクツワムシが減ったこと。

以前、このブログにアップした8分間の音声を聞いていただいた方はおわかりかもしれませんが、タイワンクツワムシの音はとても大きく、なおかつこの場所には多数生息していたので、ほかの音がかき消されるほどでした。彼らのこの場所でのさかんな活動時期は8月の終わりのようで、いまでは数頭が鳴いていますが、先月のような騒がしさはありません。たくさんの種類の虫の音を確認するにはよい環境になっています。

もうひとつは、少し残念ですが、スズムシの音も終わり始めています。この場所でスズムシの音を聞くには9月の上旬頃がもっとも適しているようです。

元気に鳴いているのはマツムシ。そしてコオロギの仲間(エンマ、ミツカド、ハラオカメ、ツヅレサセ、タンボ、クマ、など)。セスジツユムシ。ササキリの仲間などです(※写真はササキリです)。

また、昨日ひさしぶりにハタケノウマオイの音を確認し、カンタンも二か所でルーと鳴いています。音を確認できた種数は19種。来週も同じくらい聞くことができると思います。

当日は、線路わきの草がおおう場所(マント)から聞こえてくる音、田んぼから聞こえてくる音、土手から聞こえてくる音、など場所をかえて聞こえてくる音を観察します。

草が茂っている道もありますが、観察時に歩く場所は舗装されている道ですので、歩きやすい服装で来ていただければとくに必要なものはありません。

歩きながら鳴く虫の音にしばしの時間耳を傾けるのは、それだけで気持ちいいものですし、たくさんの音を一度に聞ける時期も、今年はそろそろおしまいです。ぜひご参加ください。

 

また20日(日)、25日(金)、26日(土)の追加日に参加を希望される方も随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

 

 

タンボコオロギの音

田んぼの中や付近から、急くようにジィジィジィと聞こえてくるのはタンボコオロギです。田んぼから聞こえてくるのはササキリの仲間など、キリギリスの仲間が多い印象ですが、そのなかでしきりと、ほかのコオロギの仲間と少し違う調子で鳴いています。録音では周囲でエンマコオロギなども鳴いています。

 

観察会・追加日のお知らせ

「鳴く虫の観察会」につきまして、日程が合わずご参加いただけない方へ、追加日のお知らせです。19日(土)は予定が合わないけれど、虫の音を覚えたい・たくさんの音を聞いてみたい、と思われている方がございましたら、以下の日程も観察いたしますのでご連絡ください。集合場所・時間につきましては19日と同じです。1年を通じて虫の音がもっとも多く聞こえるこの時期、ぜひご参加ください。

 

追加日/9月20日(日)、25日(金)、26日(土)

 

鳴く虫の観察会・詳細

鳴く虫の観察会・チラシ(追加日) 2020.9.21更新

 

 

観察会のお知らせ

9月19日(土)に「鳴く虫の観察会」をおこないます。場所は愛知・知多半島の阿久比町です。車、鉄道でアクセスしやすい場所にある田んぼ付近では数多く鳴く虫の音を聞くことができます。鉄道脇のマント、川の土手、畦や田んぼのなかなど、さまざまな場所から聞こえてくる虫の音に耳を傾けてみませんか。

詳細は下記リンクからご覧ください。

 

鳴く虫の観察会・詳細

鳴く虫の観察会・チラシ(追加日) 2020.9.21更新

 

 

ツユムシの音

草むらから聞こえるプチッ、プチッとはじけるような音はツユムシです。知らないと虫の音ということもわからないかもしれません。一頭で鳴いていても聞き逃してしまいがちですが、録音の場所では数頭が近くにいたようで、しきりとはじくような音が聞こえます。録音で聞くと耳に痛いと感じることもあるので、音量には気をつけてください。後ろではエンマコオロギがしきりと鳴いています。

 

ササキリの音

ササキリの音は、草むらからシャリシャリシャリシャリ……という連続音で聞こえます。同じように連続音で聞こえるウスイロササキリよりも音が粗く、むらがある印象です。その分、耳には入りやすいのかもしれませんが、なかなか認識できないことも多いようです。

 

 

モリオカメコオロギの音

モリオカメコオロギの音は、おもに林縁から聞こえてきます。音の特徴としては、リーリリリリ、と最初の音が若干伸び、リリリの数にはばらつきがあります。ハラオカメコオロギの音を聞き慣れると、差がよくわかると思います。林に生息しているのですが、この録音は鉄道の法面ですので、かつて林のあった場所付近にはまだいることもあるのかもしれません。

 

オナガササキリの音

ササキリの仲間、オナガササキリ。ジャッジャッジャッと濁った音で聞こえます。音は途中で止まったり、長く続いたり不安定なので、慣れるまではわかりづらいかもしれません。田や草むらから聞こえてきます。昼間に録音したためうしろではツクツクボウシがさかんに鳴いています。