十月の日誌(下)

10月18日。中生涯学習センターでモンテッソーリ読書会。昨年末の準備会、6月、8月、今回で4回目。さまざまな縁があって始めた読書会であるが、資料をつくり、テキストを読み解き、話し合い、教えてもらい、感想を聞きながら、いろんなことを考える。

個人的に少し前から考え始めているのは、幼稚園・保育園の時期があって、子どもたちが就学するときの選択肢のこと。6年間、これまでのように公立の小学校に通う選択肢に加えて、公立のモンテッソーリ・スクールに通う選択肢ができると良いのではと思っている。少し前から、原因らしいものが無くても学校に行くことができない、という不登校の子どもが増えていると聞くようになった。かつては、担任の先生と合わない、嫌な子がいる、家庭に問題があるなど、ある程度明確な原因があったと思うが、今は、理由は分からないけれども行けない。それならば、原因はさておき、行ける環境で学んだ方が良いのではないだろうかと思うのだ。小学校を卒業し中学校に上がると、大人たちと同様に社会に生きるための準備期間に入っていく。その時期には、社会性や協調性も求められるだろう。けれども、小学校時代は、そうしたことを置いておいても、その時期に育むべき大切な事柄があるはず。すでに就学中であっても、通う先を選ぶことができる。それぞれの学校の先生も、地域の人たちも、そうした仕組みを理解している。そんな環境が整備されると良いのではないだろうか。

10月21日。南信教育事務所が主催する講座、赤門スクールに参加するため飯田市に行く。内容は「博物館の父・田中芳男を知っていますか?」。始まる前に、飯田市美術博物館で今回のテーマの企画展示を見る。田中芳男は、飯田出身の官僚であり、東京・上野の博物館群の設立に大きく関わった人物。若い頃に医者を目指すが、その過程で薬草となる植物に興味を持ち始め、尾張の伊藤圭介に師事する。本草学に傾倒した時期を経て、その後は官僚として、さまざまな物産に関わる仕事に従事する。ウィーン、フィラデルフィアの万国博覧会の出品にも大きく貢献した。古今東西の博物に造詣が深く、自分が収集した物品で展覧会を開いた。学芸員の方のお話を聞き、展示の内容がより深く理解できた。美術博物館に寄贈された膨大な資料の精査はまだ始まったばかりとのこと。興味深い人物なので楽しみだ。

10月25日。熱田神宮宝物殿の会議室で、自然を楽しむ会の例会に参加する。自然を楽しむ会は、年に3回の例会と、春と秋に観察会を行っている。9月末の観察会では、土岐市の森を歩いて、スイランなど稀少な湿地の植物をはじめ、シンジュガヤ、イヌノヒゲなど見落としがちな植物、浮葉植物のジュンサイ、ラン科のオオミヤマウズラ、ケネザサ・ネザサと金剛竹の違い、地衣類のハナゴケなどを観察。水辺ではマユタテアカネやハグロトンボが飛んでいて、林縁の樹上ではクサヒバリも鳴いていて、楽しい観察会だった。

この日は、最初に、おもに海外の蝶についてのお話。日本では見かけない蝶の標本を見ながら、4日の観察会で訪問した「Mihama Butterfly Museum」のことを思い出す。地域ごとに特徴が異なる蝶たち。それぞれ美しい。次に、名古屋近郊にある自然観察スポットのお話。訪ねられている場所がとても多く、それぞれに特色のある場所ばかりである。メモを取りながら、この地方の自然のつながりを知るためには、訪ねるべき場所は多いなと思う。まずはこれまでのフィールドワークに近い場所から、できる範囲で訪ねてみたい。

10月30日。個人詩誌「一声」の完成品を、三口さんに届ける。コツコツ詩を書き続け、年に3回、一枚詩を出されている。日々の生活で浮かび上がるイマジネーションがあり、自分自身の経験から生まれる言葉を選び、選んだ言葉と向きあい、納得のいく詩にする。写真をどのように提示するかということにも似ている。何度でも出会い撮影している場所、生きもの、風景、事物。フィールドワーカーらしい写真の提示を考えないとな、と思う。納品した帰り、ひさしぶりにガルリラペに寄る。オーナーと半田出身の若い日本画家の方と話す。

10月31日。西味鋺観察会。今年は天気に恵まれず、6月、8月の観察会は中止となった。この日は、西八龍社で木の実の種類について知り、味鋺神社まで歩いた。参加された方は多くはなかったけれども、ひさしぶりに開催できて良かった。30回以上続けてきた西味鋺観察会。継続は力なり。今後どのように続いていくか楽しみにして。