後半の観察会スケジュール 変更と追加

2025年後半の観察会スケジュールの日程変更と追加のお知らせです。1o月「天白渓観察会」は日程を変更します。11月「椋鳩十を読む会」は、定例の第三土曜日に開催します。観察会の日程一覧は、メニューにあります「2025年の観察会日程表」でも、ご確認いただけます。

 

<10月の観察会スケジュール>

「第2回 天白渓観察会」

日時:10/12(日) 10:00~12:00(予定) ※10/13から変更しました。

場所:名古屋市天白区・八事裏山

◇春に開催した天白渓観察会の2回目です。名古屋市内に広く雑木林が残る八事裏山の、秋の様子を観察して歩きます。

 

<11月の観察会スケジュール>

「第12回 椋鳩十を読む会」

日時:11/15(土) 13:00~16:30

場所:昭和生涯学習センター・部屋未定

◇奇数月第三土曜日に開催している「椋鳩十を読む会」。11月の課題図書は「底なし谷のカモシカ」です。「椋鳩十のシカ物語」(理論社)に収録されています。歌の練習もあります。初めての方も、お気軽にご参加ください。

 

マツムシの引っ越し

今年も7月下旬から熱田の鳴く虫たちの音が聞こえるようになった。8月半ばを過ぎて、コオロギの仲間は、おおむね出そろったようである。

代表的な秋の鳴く虫について、今年初めてその音を聞いた日を列記してみると(代表的というのは、秋の鳴く虫とされているものでも、タンボコオロギやシバスズは、ずっと早い季節から鳴いているので)、7月27日、カネタタキ初音。28日、ミツカドコオロギ初音。31日、エンマコオロギ初音。8月8日、アオマツムシ初音といった具合である。ほかには、ツヅレサセコオロギ、ハラオカメコオロギも同じ時期に鳴いているのを確認しており、今の時期はもう、熱田を歩いていると、どこかで聞くことができる。

8月15日には、お盆の精霊送りがあり、夕方、家の前で送り火を焚いたあと、仏前のお供え物を納めるため、家から歩いて1キロ半ほどの距離にある堀川沿いの法持寺に向かう。毎年のことではあるが、ちょうど精霊送りの頃は、神宮周辺の鳴く虫が出そろっていて、よい夜の自然観察になる。道すがら、よく聞こえたのは、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、そして、カネタタキ。

お寺さんの裏手には白鳥古墳があるのだが、古墳の木々ではアオマツムシが大きな音でリーリーと鳴いていて、にぎやかだ。少し北の断夫山古墳にもアオマツムシは多い。後日、堀川沿いの対岸を歩いてみると、そちら側には木々の多い白鳥庭園があるのだが、こちらでは、アオマツムシは鳴いていなかった。理由があるのだろうか。白鳥小学校の近くでは、タンボコオロギが鳴いていて、すっかり街中にも定着しているなと思う。「ジーッ、ジーッ」と尻上がりに鳴くマダラスズの音も聞こえた。

アオマツムシでにぎやかな熱田神宮西門の前を通って、南門側から伝馬町の交差点に向かう途中、少し離れたところで「チン、チロリン」と聞こえてきた。マツムシだ。民家の庭先で一頭で鳴いている。「こんなところで鳴いていたかな?」と思いながらも、新しいマツムシスポットが見つかって、嬉しくなる。家の近くまで戻ってきたので、ついでに、毎年虫の音を聞いている新堀川沿いの草むらを訪ねてみると、昨年は聞くことができなかったカンタンが鳴いていて、ほっとした。しかし、同じ場所で、たくさん鳴いていたマツムシは、どこかへと移動してしまったようで、昨年同様、聞くことはできなかった。

三日後の18日。夜の散歩に出かけると、熱田神宮の北西にあたる旗屋交差点で、マツムシが鳴いていた。3~4頭だろうか。よく通っている場所だが、ここで聞くのも初めて。今年はマツムシを初めて聞く場所が多いなと思いながら、コースを歩いて戻ってくると、教育センターの草むらでもマツムシが一頭、鳴いていた。ここも初めて。すぐ近くの会社の駐車場脇の草むらでは、数年前から3年ほど、5~6頭のマツムシが鳴いているのを聞いていたのだが、そういえば昨年は聞かなかった。教育センター脇の草むらまでは、50メートルほどしか離れていないので、もともとそっちにいた一群が、引っ越したのだろうか。そう考えてみると、以前、伝馬町交差点で鳴いていたマツムシの音は、聞けなくなって久しいが、15日に聞いたマツムシの庭までは、100メートルほどの距離。ルーツをたどれば、交差点の草むらで毎年鳴いていたマツムシかもしれないな、と想像した。

こうなってくると、ほかのマツムシスポットも確認しておきたくなる。翌日は、以前「鳴く虫さんぽ」で訪ねた、白鳥橋の草むらに行ってみた。一頭だけいたマツムシは鳴いておらず、堀川沿いを歩くと、遠くから「チン、チロリン」と聞こえた。耳を澄ますと、対岸の草むらのようである。橋をわたると、白鳥庭園のそばの川沿いで2頭鳴いていた。

そのまま旗屋橋方面へと川沿いを歩くことにした。川沿いは、少し風があって、公園には夏休みの学生たちや、散歩している家族がいる。酷暑の毎日だけに、夜の散歩は、みんな心地よいのだろう。立ち止まって耳を澄ませていると、汗だくのランナーが追い越していった。橋に近づくにつれて、草むらからマツムシの音が聞こえ始めた。公園側の草むらからも聞こえるし、川沿いの草むらからも聞こえる。少し歩けば、また「チン、チロリン」。「鳴く虫さんぽ」をした年は、木の上でアオマツムシがにぎやかだったが、今年は真上にいない。足元に散らばった星々が、音を立てて煌めくような、十数メートルのマツムシロードを歩き、橋に到着。車の走る橋をわたり始める頃には、音は小さくなり、聞えなくなった。

 

アカボシゴマダラの夏

アカボシゴマダラという、タテハチョウ科のチョウがいる。もともと大陸の暖かい地域に生息するチョウだが、近年、日本で生息地を拡大している。1998年に神奈川県で確認されて以降、定着。2010年頃からは、関東一円で確認されるようになった。最近では、静岡や愛知、長野など中部地方でも姿が確認されるようになっている。食草はエノキ。エノキは、街道の一里塚に植えられた木でもあり、日本人の生活に身近である。アカボシゴマダラは、かつての旅人たちが長い旅路の足休めに木陰を利用したエノキを、彼らの旅の道しるべにして、関東を起点に時間をかけて南下、北上。辿り着いた地域で定着している。

アカボシゴマダラと最初に出会ったのは、昨年8月22日に天白渓を歩いていたときのことである。この年は、夏の酷暑が厳しく、名古屋では7月後半からほぼ毎日、猛暑日だった。暑さに耐えかねたわけではないだろうが、アカボシゴマダラは地上に落ちて死んでいて、在来のゴマダラチョウには無い、目立つ赤い斑で、それと分かった。

翌月12日には、同じ天白渓の森で、林内を舞っているところに遭遇。目で追っていると、木の葉の上にとまり、ゆっくりと翅を閉じたり開いたりしながら、こちらを伺っていた。すぐには飛び去らなかったので、数枚、写真を撮る。一緒に観察していた方たちと、「大きくてきれいなチョウですね」と、初めての出会いを楽しんだ。

今年7月、知多半島でチョウの写真を撮られている、チョウ撮りとんぼ・宮原一明さんから写真展のご案内をいただき、半田のアイプラザに観に行った。施設内の喫茶スペースに、知多半島で撮影された、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)数種の写真が展示されていて、一つ一つのチョウについて、お話を聞く。ゼフィルスは、生息場所が局所的で、時期もおおむね決まっている。5月に武豊町自然公園で開催した春の観察会では、確認できなかったミドリシジミも、その後、他所のため池付近で確認されたそうだ。ハンノキの様子など、見つかりそうな場所についてお話しながら、あきらめずに探してみるといった粘りが、自分にはもっと必要かもしれない、と思い返す。同時に、まだ出会っていないチョウの存在も知ることできて、新鮮な心持ちになった。

アカボシゴマダラのことは、話題に上った。宮原さんも、今年は特にアカボシゴマダラを見かける回数が増えたそうで、半田市の緑地で、アカボシゴマダラとゴマダラチョウが、同じ樹の幹で吸蜜していたと教えてくださった。「仲良く棲み分けられると良いのですけれどね」と話しながら、ひと時の楽しいチョウ談議を終えて、帰宅した。

ちょうど同じタイミングで、母親から、「池田さんの畑にもアカボシゴマダラが来ていたみたいだよ」と話を聞く。池田さんにお話を聞いてみると、昨年までは来たことが無く、今年が初めてとのこと。畑のある緑区以外でも、熱田でも見かけますよと、教えてもらった。熱田での記憶を振り返ってみると、在来のゴマダラチョウは、これまでに数回、熱田神宮や熱田警察署付近で見かけている。

8月に入り、お盆も明けた17日。椋鳩十研究の第一人者である、菅沼利光さんの夏期講座を聴講するため、喬木村を訪ねた。喬木村の夏も、他所と変わらず、暑い。それでも、喬木村を訪ねると、暑さ以上に気持ちが緩むのはなぜだろう。記念館の周囲は、車や電車など交通の大きな音が無い。騒がしいクマゼミはおらず、アブラゼミのジーーという音が響く。日本の四季が、本来そなえている和かな夏の情緒を、まだ感じられる場所だからかもしれない。

菅沼さんの講座は、椋鳩十の青年期の読書体験が、処女作である「山窩調」に、どのように反映されているのかが内容の中心だった。当時、日本に入ってきたばかりの海外文学からの影響、伊那谷の環境、閉塞感のある時代に対する想いが重なり合い、山の民の物語は出来上がったのでは、というお話は、自分のなかに溶け込み、楽しく勉強になった。

帰り際、記念館の入口を出たところで、アカボシゴマダラを見かけた。2023年には、隣の飯田市で確認されているので、喬木村にも入ってきたのだろう。

二日後、夏休みの参拝客がまだ多い熱田神宮の本殿のそばにも、アカボシゴマダラがやってきていた。急がずに翅を羽ばたかせていたので、ミスジチョウかなと思ったが、砂利の地面に下りると、赤い斑がすぐに見えた。周囲の木々では、ツクツクボウシが鳴き始めていて、酷暑の終わりは見えずとも、季節が進んでいることを教えてくれていた。

 

 

2025年後半の観察会スケジュール

2025年後半の観察会スケジュールが決まりましたので、お知らせします。後半は、恒例の「鳴く虫の観察会」からスタートします。春に開催した「天白渓観察会」の2回目も予定しております。11月「椋鳩十を読む会」の日程は、記載しておりませんが、決まり次第、お知らせします。

 

<9月の観察会スケジュール>

「鳴く虫の観察会 1」

日時:9/6(土) 18:30~20:00(予定)

場所:半田市・新美南吉記念館 童話の森

◇昨年11月、「童話の森の文化祭」に合わせて鳴く虫の観察会を開催しました。今年は同じ場所で、時期を早めて虫の音を聞きます。

 

「鳴く虫の観察会 2」

日時:9/14(日) 18:30~20:00

場所:阿久比町・田んぼ

◇阿久比町の田んぼは、知多半島において、もっとも多くの種類の虫の音を、一か所で聞くことができる場所の一つです。たくさんの虫の音を聞き分けてみたい方は、是非、ご参加ください。

 

「第11回 椋鳩十を読む会」

日時:9/20(土) 13:00~16:30

場所:昭和生涯学習センター・美術室

◇奇数月第三土曜日に開催している「椋鳩十を読む会」。今回の課題図書は「森の住人」です。「椋鳩十のシカ物語」(理論社)に収録されています。前回スタートした「椋鳩十と戦争:生命の尊さを動物物語に」(多胡吉郎/書肆侃侃房)の読み解きは、第2章を読みます。歌の練習もあります。初めての方も、お気軽にご参加ください。

 

「第28回西味鋺観察会」

日時:9/27(土) 18:00~20:00

場所:西味鋺コミュニティセンター

◇今回の西味鋺観察会は、夕方からの開催です。庄内川の河川敷で灯火採集をして、河畔林に生息する昆虫を調べるほか、周辺の鳴く虫の音を聞きます。

 

<10月の観察会スケジュール>

「第2回 天白渓観察会」

日時:10/13(月・祝) 10:00~12:00(予定)

場所:名古屋市天白区・八事裏山

◇春に開催した天白渓観察会の2回目です。名古屋市内に広く雑木林が残る八事裏山の、秋の様子を観察して歩きます。

 

「秋の観察会」

日時:10/19(日) 13:30~15:30

場所:武豊町富貴・自然公園

◇武豊町自然公園での観察会は、今回で4回目となります。自然公園の秋の様子を観察します。

 

<11月の観察会スケジュール>

「秋の観察会」

日時:11/22(土) 13:30~15:30

場所:美浜町河和・町民の森

◇初めての観察地となる美浜町町民の森は、恋の水神社から東に1キロほどの場所にあります。小高い山の山頂を目指しながら、周辺の秋の様子を観察します。

 

「第29回西味鋺観察会」

日時:11/29(土) 10:00~12:00

場所:西味鋺コミュニティセンター

◇年内最後の西味鋺観察会は、西八龍社、味鋺神社・護国院、東八龍社の三社をめぐり、木の実を観察します。

 

<12月の観察会スケジュール>

「冬の観察会」

日時:12/7(日) 13:30~15:30

場所:南知多町内海

◇毎年場所を変えて開催している、冬の観察会。今年は、内海で開催予定です。

 

※観察会の詳細とお申し込みは、8月下旬以降、順次掲載します。

 

パンセ・コティディエンヌ 1、2

パンセは、パスカルの思索思想集「パンセ」でおなじみ、フランス語で「思考、考え」の意味。コティディエンヌは、「日常の」という意味の形容詞「コティディアン」の女性形。日本語に訳すと「日々の考え」というような意味合いになる。アルファベで綴ると「Pansée quotidienne」。「パンセ」は、一般的な広い意味での「思考、考え」なので、筋道を立てて、より深く考える場合は、「レフレクシォン(réflection)」ということばを使う。

どうして急にフランス語なのかというと、しばらく前からフランス語を勉強しているからである。10代後半から20代前半にかけて、やってみようと思っていたことは、これまで、自分なりに勉強したり、挑戦してみたのだが、やり残しているものの一つが、語学。

実用的なことを考えて、共通語にもなりつつある英語は、ちゃんと話せるようになった方が良いだろうと思ったこともあったのだが、どうも、自分に合わないことが分かってきた。なので、話すのはさておき、読解は文学部相応に取り組んでいたフランス語を、きちんと身につけてみようと思ったのである。そうはいっても、当時とはちがい、時間が豊富にあるわけではない。とりあえず、寝る前にラジオ講座を聞いたり、完全に忘れてしまっている単語を覚え直しているのだけれども、身に付いてきている実感は、まだない。

というわけで、そんな勉強も兼ねて、ことばにかぎらず、フランスやヨーロッパの自然や文化、人や歴史などについて、さまざま考えてみたことを、この「パンセ・コティディエンヌ」では、書いていけたらと思う。

ちなみに、「エッセイ」の語源は「エセ(essai)」で、「試みる」を意味する動詞、「エセイエ(essayer)」から生まれたことばである。

(1)日本人の自然観とヨーロッパ人の自然観はちがう、という話を耳にする。日本は、八百万の神ということばに象徴されるように、身近な自然物や自然現象に神性を見出したのに対し、キリスト教に代表される西洋の神は人格化されている、というのが、おおまかではあるが、根拠とされていることのようだ。日本は一年を通し、自然の変化が豊かである(であった、かもしれない)。和歌などの、ことばの表現が代表するように、そういった四季の美に心情を託し、日本人共通の美意識として、表現様式が継承されてきた文化である。

一方、西洋の文化は、人間の身体、精神にもとづくようだ。人間という存在そのものが、表現者の興味の対象であり、ギリシア・ローマ彫刻にしても、宗教画にしても、中心にあるのは、人が兼ね備える美である。哲学・思想の歴史は、それを象徴している。

ヨーロッパ人と日本人の自然観は、異なるものだろうか。というよりも、まず、ヨーロッパに暮らす人々は、自然をどのように見て、関わってきたのだろう。人の存在と対比するもの、だろうか。人の移動や人同士の争いが絶えず起こってきた地域を構成している、海や山、川や森、沼や湖。そういった環境に生きる、動物や昆虫や植物などと、どのように関わってきたのだろう。また、都市や農村などにあって、日々の生活で目にする生命や自然現象は、人々の心にどのような感情の変化をもたらすものなのだろう。

当たり前のようなことであっても、まずは、考えてみたい。科学者たちの並々ならぬ努力と追究の歴史の成果でもある、46億年の地球史をベースにして。文化、地理、文学、産業といった、人々の生活に近しいことがらなどから想い出し、私たちが暮らす身近な自然と重ね合わせて考え、その先に、東西を問わず普遍的な自然観が生まれてくるとよいな、と思う。

(2)モンテッソーリ教育の創始者であるマリア・モンテッソーリは「コスミック・タスク」ということばで自然や生態学から学ぶことの大切さを説明している。コスミック・タスクとは、地球上の生きものが、生き残るためのよりどころとし、世代をつなげていくため、安全に維持していかなければならない「環境」に対して、それぞれの種を構成するものによって寄与される奉仕、のことである。

植物には植物の、動物には動物の、菌類には菌類のコスミック・タスクがある。では、ことばや道具を生み出し、考える能力に優れた、私たち人類のコスミック・タスクは、なんだろう。生命の揺籃である地球にあって、すべての生きものが、環境の急変によって生存と世代交代の継承が危ぶまれることのないよう、運営していくことではないだろうか。

 

 

SCENE in the pen. 094

“Grasshopper on the sand”

On the beach in summer, many flowers of the roundleaf chastetrees fad grown into fruits. Bees were busily flying around the flowers that were still in bloom, sucking nectar. A grasshopper flew out from between them. I searched for where it had landed, but its body was buried in the sand and I couldn’t find it easily. [August 2025]

Oedaleus infernalis

 

海浜植物の茂みで跳ねたバッタは、クルマバッタモドキ。体は砂浜に似た色をしていますが、砂浜に限らず、背丈の低い草むらなどでも出会います。見た目が似ているヤマトマダラバッタも砂浜に生息しますが、全国的に数が減っており、なかなか出会うことができません。

 

「出版文化を考える会」について

8月から再開を予定していました「出版文化を考える会」は、一旦、休止します。少し先になりますが、2年後、会場である名古屋国際会議場がリニューアルされる2027年に、再開します。

再開後は、出版や文学に関わっている方々をお招きし、お話を伺いながら考えていく内容で、今後、検討していこうと思います。

あらためまして、これまでの資料や、当日話したことをまとめると、以下のような内容でした。

・「書肆花鑢の会社化について」

・「月刊『HANAYASURI』の復刊について」

・「文学者を知る」「熱田を知る」「和紙と産業」

資料の内容について考えられることは、まだ、たくさんあったと思います。途中で終わっている資料もあります。それらにつきましては、追加の資料がまとまり次第、本ブログで公開していきます。

 

SCENE in the pen. 093

“End of the rainy season”

Many green dragons (They were “O-Hange.”) were spread out by a pond of the woods. The end of the busiest period for rice farming is called “Hange-syo.” “Hange” is species of the green dragon family, “Karasu-bisyaku (crow dipper).” “syo” means born. In the past, the rainy season ended and the summer heat was in full swing when those plants grew. These days, the beginning of the summer’s heat seems to be earlier. [JULY 2025]

Pinellia tripartita

 

サトイモ科の植物、カラスビシャクは、漢方名を「半夏」といいます。カラスビシャクが田のそばに生える頃は、「半夏生」と呼ばれ、田んぼの繁忙期が一段落する頃として、農事暦にも用いられました。オオハンゲは、カラスビシャクよりも大きく、とくに三つ葉の大きさが特徴的です。

 

SCENE in the pen. 092

“Ant-lion’s adult”

The hot summer continues. However, there seems to be less humidity than every year in the woods, perhaps because the rainy season was short. A flattering lacewing flew in front of me. It is difficult to imagine their beautiful appearance as larvae feeding on ants. Every time I meet them, year after year, I enjoy the fact that nature is truly a wondrous and beautiful. [JULY 2025]

Baliga micans

 

梅雨が明ける頃、雑木林にウスバカゲロウがあらわれます。幼虫は、すり鉢状の巣を砂地につくり、アリなどの昆虫を捕食するアリジゴクです。巣と幼虫は、森の中の雨が当たりづらい砂地で一年中見かけますが、成虫のウスバカゲロウが林内を舞うのは夏だけです。幼虫が巣をつくらずに徘徊する、ホシウスバカゲロウも、知多半島に生息しています。

 

SCENE in the pen. 091

“Goby on the mudflats”

Gobies are often encountered in the sea and rivers. There are many species of gobies, some of which live in freshwater, others in the sea. Many also prefer brackish water. I cannot identify them immediately. On this day, gobies with black spots lined up and gobies with black fins were swimming on the mudflats. [JUNE 2025]

Favonigobius gymnauchen

 

ハゼの仲間は、海水、汽水、淡水、それぞれの環境に棲む種がいます。干潟で見かけたのはヒメハゼ。目の前に黒い斑があり、体にも4~5の黒い斑が並びます。