阿久比町の観察会及びこれまでのブログ記事で、鉄道の法面をおおう草むらを「マント」と解説しました。後日、観察地について話しながら、本当にあの場所を「マント」と呼んでいいのだろうか、という話になりました。生態学の用語として使われる「マント群落」は、林縁に生える小低木とそれを覆うつる植物で構成される場所を指します。さらに外側の、裸地との間に生える野草などが構成する場所は「ソデ群落」といいます。「マント群落」「ソデ群落」は林縁ですから、開発などにより林が削られる際、最初に手が加わります。結果、道路になった場所も数多くあります。元「マント」と呼べる場所は存在します。ですが、観察会の鉄道法面は、以前は田でしたので「マント」ということはできません。田になる以前まで遡ればどうなのか、ということも考えられますが、鉄道法面に舞い込んだ種子から芽生えた小木に野草などがおおった結果できた環境と考えるのが正しいだろうと思います。場所を言葉にするならば、「鉄道法面の草地」が適当でした。