SCENE in the pen. 087

“Caterpillars on privet tree”

In spring, one of the trees that flowers in the woods is the privets. There are “border privets” and “Japanese wax-leaf privets” in this woods. The wax from these trees was used to make candles. Were they also used in the region? On this day, the larvae of the moth that feed on privet leaves were found on the branches. Its adults have eye-patterned wings and its English name is “owl moth”.  [May 2025]

Brahmaea japonica

 

イボタノキは、春に雑木林で白い花を咲かせます。木から取れる蝋は、ロウソクの原料などに用いられたそうです。イボタノキやネズミモチを食草とするイボタガは、独特な翅の模様をもつ大型の蛾で、春を告げる蛾とも呼ばれます。英語では、オウル・モスと言います。

 

ヘイケボタルの観察会

今年度の「ヘイケボタルの観察会」は、以下の日程で行います。ヘイケボタル(写真)は田んぼなどにあらわれる身近なホタルですが、環境の変化で、生息地が激減しています。現在、知多半島で観察できる場所は、ごくわずかです。深夜に光るヒメボタルとは異なり、日没後、30分~1時間ほどで飛翔発光します。緑色の光が風にのって田の水面をすーっと流れる様子は幻想的です。夜の観察会となりますが、年に一度のホタルの季節、是非ご参加ください。観察会に初めて参加される方もお待ちしております。

 

〇日程/2025年6月7日(土)

〇時間/19:00集合~20:30頃、終了予定

〇集合場所/美浜町奥田・恋の水神社駐車場 地図はこちら

※自動車の場合は、知多半島道路「美浜IC」を下りて、信号を右折します。総合公園のテニスコートを過ぎた先にある「日本福祉大学」の看板が指す方へ左折してください。2~3分進み、次の信号を左折すると、恋の水神社に着きます。電車の場合は、名鉄「知多奥田」18:43着の電車でお越しいただけましたら、迎えに行きます。

〇費用/無料

〇その他/トイレは神社にあります。歩きやすい靴でお越しください。飲み物などは各自ご用意ください。やぶ蚊の対策をお願いします。メモを取る場合は、筆記用具をご用意ください。

★予定の変更など/開催日の前に、予定の変更など、ご連絡をする事があります。その場合は、お申し込みいただいたメールアドレスにご連絡しますので、お手数ですが、当日の前に一度メールをご確認ください。よろしくお願い致します。

 

終了しました。ご参加いただきありがとうございました。

 

6月・7月の観察会スケジュール

6月の観察会スケジュールのお知らせです。上半期の観察会も終盤になりました。7月、8月は、観察会はお休みです。近年、夏場の気温上昇は体に厳しく、昼間、野外での観察会は、開催がなかなか難しくなりました。「猛暑日」という言葉も出来てからしばらく経ち、すっかり定着しました。日中の外出が厳しくなる季節を前に、身近な自然の観察を、目一杯、楽しみましょう。たくさんのご参加をお待ちしております。

 

<6月の観察会スケジュール>

「ヘイケボタルの観察会」

日時:6/7(土) 19:00~20:30

場所:美浜町奥田の田んぼ

◇ヘイケボタルは、田んぼなどにあらわれて、人の生活にとても身近なホタルでした。近年、知多半島では、その自生地が激減しています。まだ残る、ヘイケボタルのいる田んぼを観察します。

 

「磯の生きものをみる」

日時:6/15(日) 13:30~15:30

場所:南知多町内海・つぶてヶ浦

◇2年ぶりに、磯の観察会を開催します。観察地・つぶてヶ浦での、この日の干潮時刻は、14時半頃です。浜辺には岩礁があらわれて、岩場にタイドプールが出来ます。カニや小魚など、そこに棲む生きものの様子を観察します。

 

「第27回西味鋺観察会」

日時:6/21(土) 10:00~12:00

場所:西味鋺コミュニティセンター

◇矢田川・水辺の広場で、水生昆虫や小魚など川に暮らす生きものの観察をします。生きものを持ち帰って飼育したい方は、網と持ち帰り用の袋やかごをご用意ください。

 

<7月の観察会スケジュール>

「第10回 椋鳩十を読む会」

日時:7/19(土) 13:00~16:30

場所:昭和生涯学習センター・美術室

◇奇数月第三土曜日に開催している「椋鳩十を読む会」。今回で10回目となります。課題図書は、「椋鳩十と戦争:生命の尊さを動物物語に」(多胡吉郎/書肆侃侃房)です。当日は資料を使って、作家の人生を追いながら、課題図書について話します。その他、椋鳩十の絵本の読み聞かせ、歌の練習を予定しています。

※内容の詳細は、6月下旬に掲載します。

 

想い出のニュースペーパー

朝起きてまずすることというのは、そう変わるものではない。たとえば、私は目が悪いので、朝起きてしばらくすると、コンタクトレンズを入れる。歯を磨く、食事をする、着替える、コンタクトレンズを入れるなどと並ぶ、毎朝の習慣の一つに、新聞を読む、がある。

私自身は、新聞との距離感がだいぶ近く、日常的なのだが、最近、読んだニュースによると、30代以下だけでなく、同世代の40代でも新聞から情報を得る人よりも、インターネットから情報を得る人の方が多かった。10代の終わりから20代の前半にかけて、自分が所属する社会に関する情報を一番必要とする時期に、インターネットが発展し始め、ニュースを掲載するサイトが登場した。当時のことを思い出してみると、積極的に新聞をとっていた人は少なかった気がする。ちなみに、SNSから情報を得るという人の割合は、下の世代が、かなり多く、テレビから得るという人の割合は、上の世代が、やや多かった。

もう少し思い出してみると、就職したり、結婚したり、子どもが生まれたり、という生活の変化があった人と会ったときに、「新聞、とってる?」と聞かれたことが何度かあった。大きな生活の変化があると、先の見通しを立てるため、生活に必要なものと削れるものを真剣に考えないといけなくなる。20代だった私たちが、まず、切り詰めることを考える選択肢の一つが、新聞だった。あとから聞くと、「結局とってるよ」という人もいたけれど、社会的な情報はインターネットからとればよい、と考えた人は、かなりの数いたのだろう。

新聞との付き合いを、思い出してみる。子どもの頃から、床に新聞を広げて、スポーツ欄なんかを読んでいて、中学、高校と上がるにつれて、社会面なども読むようになった。大学に進学し、一人暮らしを始めるときも、新聞はとるつもりだった。たまたま、アパートに荷物を運んでいる最中に通りがかった新聞屋さんと、その場で契約した。基本的には3カ月契約。3カ月目が近づくと、集金の人が、「また3カ月お願いできませんかね?」と言って、洗剤やなんやかんやと持ってくる。卒業して、しばらく経ち、そうしたやり取りも面倒になり、半年や一年でとるようになった。

その頃は、新聞を切り抜くことは、今に比べると、ほとんど無かった。あとからまとめて読みたい連載記事くらい。ただ、9・11同時多発テロ、近鉄バファローズ優勝など印象的な出来事があった日の新聞は、残っている。今は、和紙のことなど、自分が今、考えていることに直接関わる記事。たしかにそうだなと共感したコラム。これまでに知り合った方々が関わっている記事。投稿されたきれいな絵や、小中学生の作文を切り抜くこともある。切り抜くほどでも無いかな、というものは、スマホで撮っておく。

そんな毎日の付き合いである新聞だが、常にしっかり読んでいるのかというと、そんなことは無くて、見出しだけ、ぱっぱと読むだけのこともある。その方が、多いと思う。

学生の頃から、地方新聞も好きだった。友人たちと旅行に出掛けると、朝起きて、旅館のロビーに置いてある、その地域の新聞を読む。一人で読んでいると、旅館の人に声を掛けられて、世間話することもあった。帰省するときには、東京駅でスポーツ新聞を買って、新幹線の中で読んでいたし、新聞は夕刊の方が文化面が充実していることが多いので、アパート近くの駅のキオスクに、80円の夕刊を買いに行っていた時期もあった。仕事を探しているときに、業界紙というものがあることを知り、木材業界の日刊紙に応募したことも、そういえば、あった。

日本の離島についての記事を中心に書いている「離島経済新聞(リトケイ)」に興味を持ったことがあったり、語学学習のために丸善で英字新聞を買ったり、今はフランス在住の日本人が読むタブロイドを読んでいるし、自分はつくづく新聞が好きなのだなと実感する。他の情報媒体がどれだけ発展しても、新聞への信頼が揺らぐことは、今後も無いと思う。

最後に、新聞が好きな人ならきっと楽しめる映画を一つ。「クライマーズ・ハイ」(監督・原田眞人/2008)という、日航機墜落事故を題材にした小説を映画化した作品がある。物語の舞台は1980年代なので、今の時代には、合っていないかもしれないけれど、これは物語。私は、この映画に登場する記者たちの熱量に、頼もしさを覚える。

新聞じゃないとだめなんだ、という人たちが書いて作る。だから、新聞じゃないとだめなんだ、という読者が生まれるのだと思う。

 

 

「初夏の観察会」のお知らせ

「初夏の観察会」のお知らせです。昨年、「夏の観察会」を行った武豊町自然公園を歩いて、初夏の様子を観察します。5月に入ると自然公園の松林では、ハルゼミが鳴き始めます。雑木林の内外を飛ぶチョウの種類も多く、生きもののにぎやかなシーズンとなります。林内の特徴的な場所を訪ね、そこに生える樹木を知り、やってくる昆虫や、花などを観察します。(写真は、タイサンボク。5月撮影)

 

〇日程/2025年5月25日(日)

〇時間/13:30集合~15:30頃、終了予定 ※場合によっては30分ほど延長することもあります。余裕をもってご参加ください。

〇集合場所/武豊町自然公園・駐車場 地図はこちら

※自動車でお越しの場合は、直接、駐車場にお越しください。名古屋方面からは、知多半島道路「武豊IC」で下りて頂き、インターの信号を右折します。すぐに、「嶋田」の信号を右折します。そのまま道なりにまっすぐ2キロほど進むと、武豊町運動公園があります。「武豊運動公園前」の信号を右折して、しばらく進んでいただき、知多半島道路を渡る高架を越えると、右手に駐車場があります。

※電車でお越しの場合は、最寄りが「富貴」駅になります。13:13着の電車(河和行き、急行)でお越しいただけましたら迎えに行きますので、その旨お知らせください。駅からは車で7~8分ほどです。

〇費用/無料

〇その他/観察会の前に、昼食をとられる方は、各自ご用意ください。トイレは自然公園内の展望広場にあるほか、富貴駅と、途中の運動公園駐車場にもあります。長い距離を歩きながらの観察となります。歩きやすい靴でお越しください。帽子、飲み物など、暑さ対策をお願いします。蚊が出ている可能性がありますので、対策をお願いします。メモを取る場合は、筆記用具をご用意ください。

★予定の変更など/開催日の前に、予定の変更など、ご連絡をする事があります。その場合は、お申し込みいただいたメールアドレスにご連絡しますので、お手数ですが、当日の前に一度メールをご確認ください。よろしくお願い致します。

 

終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

 

SCENE in the pen. 086

“White flowers growing through gaps in the asphalt”

In May, I visited Handa’s last of the spring Dashi festivals, Shiohi-Matsuri in Kamezaki. I parked my car in a temporary car park and walked along the canal, where I found flowers blooming in the gaps in the asphalt. Yellow flowers and white flowers. These flowers are often disliked because they are infested. On this day, they were blooming brightly to the sound of festival music coming from afar. [MAY 2025]

Nothoscordum gracile

 

亀崎で行われる春の山車祭り「潮干祭り」を訪ねたとき、道端にハタケニラの花がたくさん咲いていました。ヒガンバナ科で、地下に鱗茎をつくって繁殖します。名前にニラとありますが、野菜のニラとはまったく異なる種です。

 

2025年度 月刊「HANAYASURI」について

5月に復刊を目指しておりました、月刊「HANAYASURI」は、予約者数が目標に達しなかったため、本年度の刊行はありません。

引き続き、2026年4月の復刊を目指して参ります。ご予約いただきましたみなさまには、お待たせしてしまい申し訳ございません。気長にお待ちいただけましたら、大変有難く存じます。

なお、観察会に参加してくださったみなさまに書いて頂いたレポートにつきましては、「観察会レポート集2024」を発行しようと思っています。まだ少し先になると思いますが、決まりましたら、お知らせします。

 

月刊「HANAYASURI」についての詳細はこちら

 

作品集の編集・制作

2月に編集・制作のご依頼をいただいた會田暁美作品集「Course」が、4月に出来上がりました。所属されている会への出品作品、絵画制作に至るまでの取り組みなどをまとめています。「筋道は紆余曲折あっても、それらは関連しつながっている。それぞれの道で学んだことが積み重なり、今の表現がある」(「あとがき」より)。さまざまな出会いを大切にされてきた、會田様の人となりが浮かび上がる作品集に仕上がりました。

作品集、詩集、個人詩誌、会報誌など、冊子の編集・制作に関するご依頼は、ご連絡をいただいた順に対応いたします。お気軽にご相談ください。

 

名古屋、野歩き(三)八事裏山

名古屋市内では、これまでに、西味鋺観察会、熱田と矢田川河川敷での鳴く虫の観察会を開催してきて、少し前から、雑木林でも観察会をしてみようと考えていた。一昨年の冬に初めて訪ねた八事裏山は、2024年に9回、今年に入ってから2回、季節の様子を観察していて、4月29日に一回目の「天白渓観察会」を、無事、終えた。

この日は風が少し強かったが、雑木林の中では、風の強さを感じることは、あまりなかった。生えている木、モチツツジやツクバネウツギなどの木の花など、観察して歩く。クワガタがいたり、大きなナメクジがいたり。小学生の子どもたちは、目に留まったものや、気づいたことを思い思いに言葉にしていて、楽しんでいたようだ。

2歳と3歳のお子さんを連れて、初めて参加してくださったご夫婦は、大府から来られたということだった。「二ツ池の雑木林は、いろんなドングリが拾えますよ。マミズクラゲという淡水に棲むクラゲがいて、夏になると公園の施設で展示されるので、是非、見に行ってみてください」と、暮らしている地域の事柄を伝える。こういったことも、それぞれの地域から人がやってくる、観察会の醍醐味の一つ。3歳のお姉ちゃんは、花や実など、目に留まるものは何でも気になる様子で、赤い実を見つけて拾い上げると、お母さんが用意してくれていた袋に、分けて入れていた。持って帰って、家で分類するのだろう。

裏山の起伏を感じながら、動物園のコアラの餌を育てているユーカリ畑を訪ねて、終了。午前の光がさわやかな雑木林で、ツツドリの「ポポッ、ポポッ」と小鼓を打つような声も聞いて、初夏が始まっていることを感じられる観察会になった。

観察会も含めた、12回の散策では、季節の様子を観察するという目的で訪ねていたので、八事裏山の四季について感じたこと、考えたことを、簡単にまとめておこうと思う。

春。スミレの花が雑木林の道沿いにはたくさん咲く。シハイスミレとタチツボスミレが多い。他にも何種類かある印象。楮の花が咲くのも、春。樹皮の内側、靭皮という柔らかい部分の繊維が和紙の原料になる。山野に自生する種は、ヒメコウゾというそうである。栽培種のコウゾは、ヒメコウゾとカジノキの雑種とされるが、野生化もしている。裏山の楮は、コウゾだろうか、ヒメコウゾだろうか。

夏は、やぶ蚊が、とてもたくさん、あらわれる。天白渓湿地と呼ばれる場所があるので、湿気が多いのだろう。歩いていると水溜りも見かける。だが、両生類、ヤゴなどの水生昆虫など、水辺をライフサイクルの拠り所とする生きものが定着するような豊かな池、水溜まりは見あたらない。裏山の雑木林の水辺が、そうならない理由は、なんだろう。

ほかには、キノコの種類が多いという印象。夏になると木々の花が減るため、足元に視線がいく、ということもあるが、裏山のところどころで、あらわれているキノコが異なり、種数は多そうである。丁寧に調べている時間がないのが残念だけれども、今年は、できるだけ出会ったものを、まとめてみようと思う。変形菌も見つけた。

秋になると、ヤマハギの花が目立つようになる。秋の七草では、ススキも裏山にある。秋に赤い実のなる木では、ノイバラ、ガマズミなどがあったが、印象的なのは、ソヨゴだろう。裏山にはソヨゴの木が多い。ソヨゴは、葉が波打ち、長い柄の先に赤い実をつける。椋鳩十のふるさと喬木村のお祭りでは、サカキではなく、ソヨゴが神事に用いられている。私は、実の付いたソヨゴを見かけると、小舟と船頭を思い浮かべる。どこが人で、どこが櫂で、ということでは無いので、ただ、なんとなくである。見立てるのは、楽しい。

昨年の12月26日。2024年も残り一週間をきり、この日が年内最後の観察に行く日だった。裏山の道には落ち葉が積もる。まだ積もり始めのようで、歩くと「ガサッ、ガサッ」と乾いた心地よい音がする。靴の裏の感触から、雑木林の冬を感じる。見上げれば、澄んだ青空と朽葉の色がきれいである。そこに、ざぁっと風が吹くと、葉が散る。頭上を、ひらひらと葉が舞い落ちる。葉の一枚を目で追う。音も立てず、積もる落ち葉を一枚分、厚くする。雑木林の外では、車の往来する音が聞こえる。年末の忙しない日々の中、裏山に来てよかったと思った。「こっちで花が咲いていますよ」と声が聞こえて、行ってみると、ヒイラギの白い花が、尖った葉に隠れるように、咲いていた。