センリョウ

十字状の葉の中央に実がつくセンリョウ。あかい実はお正月の縁起物とされ、よく庭木に植えられているのを見かけます。林などでも見かけます。きいろの実をつけるものは、キミノセンリョウとも言われます。かりやす色に近い、落ち着いた色味です。

 

クスノキ

クスノキ科ニッケイ属の常緑樹。大きな木になるので、一見すると実がついているのを見落としがちですが、冬場、足元を見ると、くろい実がたくさん落ちています。くろい実をつける木は多いですが、クスノキのくろは漆黒よりもややうすい、墨色、という印象です。

 

ゴンズイ

林縁で見かける小高木。つつじ色の実が熟して裂けると、くろい種があらわれます。マユミなども似た色の実が裂けますが、そちらはあかい種。色づいた葉は皮革のような光沢で目立ちます。

 

ムラサキシキブ

明るい林で見かけます。葉の残る時期から、あやめ色に近い、明るい紫色の実をつけます。葉が落ちきったあとも実をつけていて、白い冬芽とともに目に留まります。街中では、近似種のコムラサキが庭木で植えられているのをよく見かけます。

 

ツルウメモドキ

つる性の夏緑樹。冬場、葉を落とした木に黄色の実が残ります。熟すと三つに割れて、なかの明るい紅色の実がむきだしになります。他の木に巻き付いた幹から伸びた枝先に灯る色は、冬の静かな林で目立ちます。

カラスウリ

ウリ科のつる植物。夏に咲く白い花は花弁の先がレース状になる不思議な花です。夜にしか開かないこともあり、蠱惑的な雰囲気があります。秋ごろから、山吹色、橙色、よりあかい珊瑚朱色の熟した果実を見かけます。枯れ草や枯れ枝をカラスウリがおおっていると、なんだか懐かしい心持になる気がします。

ネズミモチ

モクセイ科の常緑樹。公園などにも植えられています。円錐状に白い花を咲かせたあとの実は、むらさきがかった黒。近づいてみると、ややくすんだ黒に見えますが、光の当たり方で、むらさきが目立つようにもなります。

ジャノヒゲ

キジカクシ科の多年草。林内だけでなく、神社や草むらなどでも見かけます。細葉が地面から伸び繁っている様子からは、実(種子)がついていることが、すぐにはわかりません。しゃがみこんで葉を持ち上げてみると、瑠璃色の実が根元にいくつも隠れています。

 

ヒヨドリジョウゴ

ナス科のつる植物。草はらなどで見かけます。熟した果実の色は緋色にちかい、あか。冬もただなかになると、枯れ草などが地面を覆う風景のなかで、よく映えます。熟していない深緑色の実と並んでいるのも、おもしろい彩りです。

 

スズメウリ

スズメウリはウリ科のつる植物。水辺や野原などで見かけます。葉が枯れると、灰色がかった白い果実が、絡みついた茎や枝から垂れ下がります。秋には、瑞々しい、うすもえぎ色だった実が、白く熟しはじめると、冬が来たことを実感します。