さまざまな場所で、シオカラトンボがよく見られた夏の時期が終わりはじめると「赤とんぼ」の季節になっていきます。
「赤とんぼ」と言われて思い浮かべるのは、アキアカネとナツアカネの2種ではないでしょうか。見た目はとても似ています。頭部や胸部まで赤く染まるのがナツアカネ(上の写真)。腹部だけ赤くなるのがアキアカネ(下の写真)です。ですが個体差があるので、正確に調べるには捕まえてみる必要があります。
夏にしばしば見られる「赤とんぼ」の多くは未成熟の個体で、黄色い体をしています。この時期は特徴である胸部の模様などが見やすいです。次の写真は、ナツアカネやアキアカネよりも少し小さな「赤とんぼ」です。
マイコアカネは複雑な虎柄模様の胸部をしています。多くのトンボはこの部分に特徴が現れるので、図鑑をよく見てみる必要があります。
マユタテアカネは、胸部の模様がうすいです。
ほかにも、小さい「赤とんぼ」には、ヒメアカネなどがいます。
コノシメトンボは、ナツアカネやアキアカネと近いサイズの「赤とんぼ」です。マイコアカネに模様の雰囲気が似ていますが、翅の先端に黒斑が入ります。
これらのトンボは秋にかけて成熟し、赤い体になります。
「赤とんぼ」といえば、地域によってはこの種を指すのが、ウスバキトンボです。夏から秋にかけて群れて飛んでいるのを見かけますが、なかなか止まりません。多くは黄色い体をしていますが、腹部を赤くする個体もあり、ナツアカネやアキアカネと大きさもよく似ています。特徴は、胸部の模様がほとんどないこと、翅のふちに入る小さな四角い斑が黄色いことです。上の写真は全身が黄色、下の写真は腹部が赤みを帯びています。
「赤とんぼ」の種類はこのほかにもたくさんいます。また、ショウジョウトンボは一年を通じてよく見られる赤いトンボです。種の見分け方、雌雄の違い、生息場所など、より詳しく知りたい方は、ぜひ図鑑で調べてみてください。