現在配布中の「HANAYASURI 15」ではセミについてエッセイを書いています。関連してセミのさまざまな時期の写真を紹介します。
セミは木の枝に卵を産み付けます。写真のささくれはセミの卵があるしるしです。ささくれの奥にひとつずつ小さな卵が入っています。
土の中で育ったセミが地上に出てくるところです。
セミは羽化するための場所を探してゆっくりゆっくり地上を歩きます。夜、行動をはじめることがほとんどです。写真では太陽の光があたったせいか、目が赤く見えます。
枝や葉などに止まった幼虫は時間をかけて羽化します。背中を割って体を少しずつ殻の外に出します。上半身をすべて出し終えると、頭が下にぶらんとなっています。そこから体を起こして殻のあたまに前足をひっかけ全身を外に出します。透明な翅のクマゼミは羽化したときから透きとおる翅ですが、翅の茶色いアブラゼミは羽化したては白い翅です。
翅が乾いてくると、少しずつ止まっている場所から歩いて移動し、ある瞬間、飛び立ちます。そして夏の短い期間を必死で生き抜きます。
同じ日本でも、場所によって、季節によって身近なセミは違います。セミについて書かれた本はたくさん出版されていますので、興味がある方はぜひ調べてみてください。