春を待ちながら

2026年が始まった。元日はゆっくり過ごし、2日の早朝、それほど人出が多くない時間に熱田神宮へ初詣。年末から新年は写真の整理をしようと決めていたので、家に帰って、まだファイリングしていない写真を一枚ずつ確認しながら、A4用紙にプリントし始めた。

最初に着手したのは、2024~25年に訪ねた各地の写真。普段から写真を撮ったらその日のうちにプリントアウトする。「知多半島をめぐる」はもちろん、「名古屋野歩き」(名古屋市内の緑地や川などで撮ったもの)、「伊那谷の四季」(喬木村や伊那谷で撮ったもの)、「家」(家で撮った生きものや花)は、ファイリングしてある。プリントしていないのは、それ以外に行った場所。和紙の里を訪ねた越前。変形菌について教えていただいた瀬戸。三河と伊那谷を結ぶ地域である設楽や明智。京都の深草にある大岩山などの写真である。ほとんどの場合、他の用事も兼ねているため、撮っている時間は長くない。けれども、それらの土地で出会った生きものや植物は、知多半島では見かけないものもある。当日のことを想い出しながら、ところ変われば、在るものが変わることをあらためて考えた。

5日は、上知我麻神社の初えびす。深夜からえびすのお札や、福熊手を買い求める人たちでにぎわう。この日を仕事始めにしているところも多い。午前中、「はたらきえびす」の札を買いに神宮へ向かう。子どもと一緒に来ている人たちもいるが、スーツ姿の人たちが多い。最近は着物姿で初詣をする人をほとんど見かけなくなったが、仕事柄だろうか、着物姿の人たちもそれなりに見かける。神社でお詣りし、熊手や札を買い求める列に並ぶ。となりの列のほうが、進みが早かったが、まあ仕方がない。並びながら、年末のある日暮れ前、上知我麻神社への道を聞かれたことを思い出した。伝馬町の交差点で女性に道を聞かれて、話を聞くと、お子さんが明日から海外に出掛けるので、お祓いをしてもらおうと思ったのだが、受付が16時までなので急いできたとのことだった。時計を見ると、あと15分ほど。道を教えると、急ぎ足で南門の方へと向かわれた。無事、間に合っているとよいけれど。

初えびすから家に帰ってくると、いよいよ新しい年が始まったという心持ちになる。早速、知多半島で撮った生きものの写真を整理し始める。写真による生きものの記録は、以前から考えていて、2020年2月から23年5月までのものは、「はなやすり観察会報告会」のときに整理して資料にした。それ以降の2年半分のファイルを、この日から一週間かけて再度確認していった。そろそろやらないと、と思っていたので、年初に出来てよかった。

さて、これまでに撮影してきた生きものの内訳は、昆虫246種。は虫類8種。両生類6種。鳥類28種。ほ乳類2種。クモ類10種。陸生貝類3種。貝類11種。カニ類10種。魚類5種。その他25種。イモムシなどの幼虫や、小さなハチ・ハエの仲間など、種が同定できていないものは数に入れていない。分かるように撮れている成体にかぎった数で、合計354種だった。ちなみに雌雄は、どちらかが撮れていればよいとしている。

観察会でも携帯しているポケット図鑑「日本の昆虫」(文一総合出版、2013)は、身近に出会う昆虫を中心に、2巻で1400種が紹介されている。246種は6分の1ほど。ポケット図鑑は知多半島では出会えない昆虫もたくさん含んでいるし、撮っていて、載っていない昆虫も数多い。身近な昆虫といっても、本当にたくさんいるのだ。身近にいるとされていたが、出会える機会がずいぶん減った昆虫も多いだろう。今年は、水生昆虫や、鳴く音は聞くが姿を見ていないコオロギやキリギリスの仲間、家畜の糞に集まるコガネムシ、出会えていないトンボやチョウなどを気にしながら、観察していこうと思っている。

昆虫以外では、まず両生類。ヒキガエル、サンショウウオ、イモリは、観察を始めた当初から探しているが、まだ出会えていない。ほ乳類は、イタチは春によく見かけるが、遠目にこちらを見つけると、すぐに隠れてしまう。タヌキも夜行性だからか、なかなか出会わない。ノウサギは一度だけ遭遇。キツネの親子も一度見かけている。鳥類では、フクロウの仲間が知多半島にもまだいるようなので、鳴き声だけでも聞いてみたい。ほかにも、川の調査も出来たらと思っている。海の魚を知るために、釣りをしてみるのも良さそうだ。昨年のトビハゼ探しでは、トビハゼは見つからなかったが、カニの仲間とは、たくさん出会った。

今年は、どんな生きものと出会えるだろうか。立春、そして生きものが動き出す季節、啓蟄の訪れを楽しみにしながら、まだしばらく、写真の整理を続けようと思う。