第二回出版文化を考える会・まとめ

6月29日(土)、出版文化を考える会の第二回目を開催しました。青空に夏らしい雲が浮かぶ良い天気で、名古屋国際会議場のある白鳥公園では、草むらにネジバナが咲いていました。今年は市内でも市外でも、長い期間いろんな場所でネジバナを見かけます。

今回は、「文学者を知る1、2」として「藤井達吉」「いわさきちひろ」を取り上げました。藤井達吉は愛知にゆかりの深い工芸家、いわさきちひろは、子どもの絵をたくさん描いた絵本画家です。ともに文学者ではありませんが、自然をよく観察し、自分の表現に取り入れるという点では共通しています。

「いわさきちひろ」は、自然によく親しみ、イマジネーションを働かせて、「子どもと平和」という自身の表現に昇華しました。同じように自然に親しみ絵本を描いた画家に、昨年逝去された甲斐信枝さんがいます。「雑草のくらし:あき地の五年間」(1985年、福音館書店)など、観察した自然を科学的、直接的に絵に表現された方です。自然を丁寧に捉えるためには、文学的なアプローチと科学的なアプローチの両方が必要です。この二人の画家の作品にたくさん触れて、比較してみると、よく分かるのではないでしょうか。

もう一題は、出版流通の仕組みと、本を作ることについてお話しました。これまでに考えてきた、出版流通や出版社運営の現状と問題点を話したあと、本の制作についての基本的なことがらなどを説明しました。

資料(PDF)はこちら → 第二回出版文化を考える会・資料

次回は、8月31日(土)に開催予定です。次回のテーマは、「熱田を知る」「文学者を知る3、4」です。書肆花鑢の拠点である熱田の土地と文化について、考えます。まずは、午前中(10:00~11:30)にフィールドワークを行います。古墳や遺跡など歴史的に重要な場所、書店、商店街、川などを車も使って巡る予定です。集合場所は、車でも電車でもアクセスしやすい場所を考えています。フィールドワーク後、一旦解散して昼食をとり、午後は、通常通り13:15~16:30に国際会議場で話し合いを行います。「文学者を知る」は「椋鳩十」「早船ちよ」を取り上げる予定です。興味のある方は、是非ご予定ください。

 

椋鳩十を読む会・7月

奇数月第3土曜日に開催している「椋鳩十を読む会」。椋鳩十の文学作品を読み解きながら楽しく活動しています。今回は、以下の内容で行います。

〇日程/2024年7月20日(土)13:00~16:30

〇場所/昭和生涯学習センター・第2集会室

〇アクセス/名古屋市営地下鉄「御器所」駅下車。2番出口を出て、御器所ステーションビルを右折し真っすぐ5分ほど歩くと着きます。有料駐車場有り(1回300円)。

地図はこちら → 昭和生涯学習センターの場所

〇参加費/大人500円、子ども(小学生以下)250円 ※資料代、会場代に使用

〇内容/①話題「大鹿村、伊那谷の話」②課題図書「アルプスのキジ」③歌の練習

〇備考/・「アルプスのキジ」は「椋鳩十の野鳥物語」(理論社)に収録されているほか、いくつかの本で読むことができます。・歌について、これまでに参加されている方は楽譜をお持ちください。初めての方には、当日配布します。

参加のお申込は、mail(at)hanayasuribooks.com(相地透)に、お名前と参加人数をお知らせください。

 

2024年後半の観察会について

例年よりもだいぶ遅く梅雨がやってきました。2024年後半の観察会のお知らせです。7月は観察会の予定はありません。8月半ばを過ぎると、街中でも虫の音がたくさん聞こえはじめます。8月下旬から「鳴く虫の観察会」を開催します。

 

〇8月の観察会

「第21回西味鋺観察会」

日時:8/24(土)or  25(日) 19:00頃~

場所:西味鋺コミュニティセンター周辺

◇鳴く虫の観察会です。コミュニティセンターに集合し、周辺にどのような虫の音が聞こえるか観察します。

 

〇9月の観察会

「鳴く虫の観察会」

日時:9/7(土) 19:30頃~

場所:阿久比町の田んぼ

◇2019年から始めた阿久比町での鳴く虫の観察会は、今回で6年目(2022年は雨天のため開催せず)。この場所は知多半島でも有数の鳴く虫の生息場所で、毎年30種以上の虫の音を聞くことができます。また、タイワンクツワムシが生息する場所でもあります。今年も周辺の環境を知りながら、どのような場所にコオロギやキリギリスの仲間が生息しているのか考えます。

 

10月以降は「秋の観察会」として小野浦、富貴(武豊町自然公園)での観察会を計画しています。秋の生きものの様子や、風景の変化を感じられる観察会にしたいと思っています。また近くなりましたら、お知らせします。

 

はなやすり出版文化を考える会(6/29)

6月29日(土)開催の「はなやすり出版文化を考える会」のお知らせです。

第二回となる今回の内容は、

〇題目1「文芸誌『うみべ』について~文学を通して身近な自然を考える」
〇題目2「本の制作と販売について~どのように出版案を形にしていくか考える」

と題し、考えます。

題目1で取り上げる文学者に関しては、第一回のまとめ記事内にPDFファイル(重要文学者一覧)がありますので、プリントアウトしてお持ちください。今回は、「いわさきちひろ」と、もう一人を取り上げる予定です。

第一回のまとめはこちら

題目2では、本の制作と販売について、現代の一般的な流れと課題を見ながら、どうやって合理的に読者へ出版物を届けるか、について考えます。具体的には、「子ども向けの絵本」と「大人向けの子どもの本」がテーマです。

興味のある方は是非ご参加ください。

 

<会場>

名古屋国際会議場 会議室433

会場のホームページはこちら

<日時>

2024年6月29日(土) 13:15開始 16:30終了 ※途中、休憩を入れます。

<参加資格>

①1977年1月1日以降生まれの方

②出版に関する知識は、まずは必要ありません。豊富な知識よりも出版について興味・関心があり、ご自身の様々な体験を通した経験をもとに、話し合いに参加できる方を歓迎します。話し合いに参加して、今、取り組んでいる活動や、携わっている仕事に活かしたい方、出版社がつくられていく過程を目の当たりに出来るという稀な機会を一緒に楽しみながら考えたい方も、ぜひお越しください。

<参加費用>

1,500円(会場費、資料費等に使用します)

<定員>

15名

<懇親会>

終了後、懇親会を予定しています(17:30~19:00、場所未定)。かしこまったものではありませんので、お気軽にご参加ください。

 

終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

 

「夏の観察会 in 富貴」のお知らせ

はなやすり観察会では初めてとなる武豊町・富貴での観察会です。知多半島の内陸部は、南北に半島の背とも言える小高い山が続き、雑木林が残っています。今回の観察地、武豊町自然公園もその一つです。5月には松林でハルゼミが鳴いており、早くもコクワガタが姿を見せていました。観察会当日は、これから雨と暑さの季節に移っていく直前の時期となります。新鮮な夏の空気を体に感じながら、そこに息づく昆虫や植物を観察します。(写真は5月に撮影)

〇日程/2024年6月16日(日)

〇時間/10:00集合~12:00頃、終了予定 ※場合によっては30分ほど延長することもあります。余裕をもってご参加ください。

〇集合場所/武豊町自然公園内「展望広場」 地図はこちら

※自動車でお越しの場合は、南門に駐車場があります。展望広場までは、南門から入って案内板に従い進んで頂くか、又は、入らずに林縁を向かって左手に進んで頂くと西門があり、入った所が展望広場です。電車でお越しの場合は、最寄りが「冨貴」駅になります。9:43着の電車(河和行き、急行)でお越しいただけましたら迎えに行きますので、その旨お知らせください。駅からは車で7~8分ほどです。

〇費用/無料

〇その他/観察会終了後、お弁当など昼食をとられる方は、各自ご用意ください。トイレは展望広場にありますが、なるべく済ませてからお越しください。暑さとやぶ蚊の対策(虫よけスプレー、長袖、日差し除けの帽子、水筒など)をお願いします。少し長い距離(約2キロ)を歩きながらの観察となります。歩きやすい靴でお越しください。メモを取る場合は筆記用具をご用意ください。虫捕りをしたい方は、虫かご、虫捕り網などをご用意ください。

 

終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

 

6月の観察会スケジュール

5月下旬となり、梅雨のような雨の降る日が続いていましたが、ようやく晴れて、しばらく天気が良いようです。来月、6月の観察会のお知らせです。初めての方、いつも来てくださっている方、お久しぶりの方、たくさんのご参加をお待ちしております。

「ヘイケボタルの観察会」

日時:6/1(土) 20:00頃~

場所:美浜町奥田

◇かつては身近なホタルといえばヘイケボタルでしたが、知多半島では生息場所がほとんど無くなってしまいました。知多半島に特徴的な山田の環境を知り、ヘイケボタルを観察します。

 

「夏の観察会」

日時:6/16(日) 13:30~15:30頃終了予定

場所:武豊町自然公園

◇武豊町では初めての観察会です。松林など、かつての知多半島の森をまだ感じられる自然公園を歩き、植物や生き物を観察します。虫捕りがしたい方は、虫かごや網などをご持参ください。知多半島での観察会は、これ以後、9月まで予定しておりません。上半期の締めくくりとなる観察会です。みなさまのご参加をお待ちしております。

 

「第20回西味鋺観察会」

日時:6/22(土) 10:00~12:00

場所:矢田川・水辺の広場(西味鋺コミュニティセンター集合)

◇今年も矢田川に入って水生生物の観察をします。暑気払いも兼ねて、是非ご参加ください。

 

ブログの内容について

月刊「HANAYASURI」休刊にともない、当面のあいだ、本ブログで以下の内容を更新していきます。

〇観察会情報=カテゴリー「イベントのお知らせ」

〇四季折々の知多の自然のこと=カテゴリー「SCENE in the pen.」

〇エッセイ=カテゴリー「エッセイ」

更新の頻度は時期によって変わりますが、観察会情報は下旬~翌月上旬にかけて、エッセイは1日頃と15日頃の更新を予定しています。ブログ版エッセイは、観察会やイベントなどで配布するプリント版から選んで掲載していきます。また、2022年にvol.72で中断していた「SCENE in the pen.」を再開します。知多半島における身近な自然の魅力を写真とともにお伝えしていきます。相地透ポートフォリオも更新していきますので、よければ覗いてみてください。引き続き、自然や文学について、楽しみながら考えていこうと思います。

 

今年度ホタルの観察会のお知らせ

5月中旬が近づき、初夏の雰囲気になってきました。そろそろホタルの季節です。今年度の「ヒメボタルの観察会」「ヘイケボタルの観察会」は、以下の日程で行います。ヒメボタルは金色の光をピカ、ピカと点滅させながら飛ぶホタルです。観察地で発光を始めるのは22時頃から。夜遅い時間で気づいている人が少ないためか、知多半島の生息地はわりと残っています。一方、ヘイケボタル(写真)は田んぼにあらわれる身近なホタルですが、環境の変化で、年々、生息地が減少しています。現在、知多半島で観察できる場所はごくわずかです。こちらはヒメボタルよりも早く、20時頃から飛翔発光します。風にのって緑色の光が田の水面をすーっと流れる様子は幻想的です。夜遅い時間の観察会となりますが、年に一度の蛍の季節、是非ご参加ください。観察会に初めて参加される方もお待ちしております。

 

「ヒメボタルの観察会」※雨天中止

〇日程/2024年5月25日(土)22:00~ ※雨天中止

〇場所/東海市の神社ともう一か所(予定)

〇参加費/無料

 

「ヘイケボタルの観察会」

〇日程/2024年6月1日(土)20:00~ ※雨天中止

〇場所/美浜町の田んぼ(予定)

〇参加費/無料

 

終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

 

椋鳩十を読む会・5月

奇数月第3土曜日に開催している「椋鳩十を読む会」。椋鳩十の文学作品を読み解きながら楽しく活動しています。今回は、以下の内容で行います。

〇日程/2024年5月18日(土)13:00~16:30

〇場所/昭和生涯学習センター・第2集会室

〇アクセス/名古屋市営地下鉄「御器所」駅下車。2番出口を出て、御器所ステーションビルを右折し真っすぐ5分ほど歩くと着きます。有料駐車場有り(1回300円)。

地図はこちら → 昭和生涯学習センターの場所

〇参加費/大人500円、子ども(小学生以下)250円 ※資料代、会場代に使用

〇内容/①話題「4月の阿島祭り訪問のこと」②課題図書「ひかり子ちゃんの夕やけ」③歌の練習④課題図書「父とシジュウカラ」

〇備考/・「ひかり子ちゃんの夕やけ」は名古屋市図書館で借りられます。・「父とシジュウカラ」は「椋鳩十の小鳥物語」(理論社)に収録されているほか、いくつかの本で読むことができます。・椋鳩十の歌は、今回から新しい曲を歌ってみます。楽譜は当日配布します。

第一回出版文化を考える会・まとめ

先日、4/27(土)に開催した「はなやすり出版文化を考える会<第一回>」。三連休の初日ということもあって、会場となる名古屋国際会議場は、イベントホールを除いては、歩いている人も少なく、会議室433のある棟では、ほかの会議は行われていませんでした。

今回の話し合いのテーマは「定期刊行誌の役割について~月刊『HANAYASURI』休刊から考える」と題して行いました。最初は前身のPR誌「HANAYASURI」(2019年5月~2021年12月)発行について簡単に説明。その後、本題となる月刊「HANAYASURI」休刊の経緯などを話しました。

その後、資料に沿って「6つの編集方針」を具体的にどのように取り組んでいたのかを順番に話しながら、感想や意見を聞きました。

資料(PDF)はこちら → 第一回出版文化を考える会・資料

今後の部分で重点的に話した箇所は、「文学と自然」。書肆花鑢が出版活動を進める中で、重要となってくる文学者を一覧にしたリストを配布しました。万葉集から新古今和歌集、江戸に至るルーツを簡単に説明し、その後、明治、大正へ。1900年代、1910年代生まれの文学者・文化人の作品・自然観に注目する理由など、編集長としての考えを話しました。

リスト(PDF)はこちら → 重要文学者一覧

今回の資料作成と話し合いを通し、5年間続けてきた冊子発行から得られた収穫がとても大きかったことを再確認するとともに、これからやらなくてはいけないことが整理できた第一回となりました。

 

<第二回>は6/29(土)を予定しています。第一題は、今回も取り上げた重要文学者をさらに掘り下げて「文芸誌を発行する」をテーマに話し合います。第二題は、具体的に本を作り販売することについて、現在、考えているいくつかの企画案(書籍、絵本など)をもとに話し合います。