今年も美浜町でアカガエルのたまごを探す季節がやってきた。アカガエルのたまごは、田んぼにあらわれる。2月になると、田起こし後にできた土の凹凸に雨が溜まっていく。田の中だけでなく、田畑の間の溝にも同様に雨が溜まっていく。雨が降ってから次の雨まで日が空くと、雨水は田に浸み込み、表面には無くなる。アカガエルは、雨がやんでも水が溜まったままになるくらいに雨が降り続ける夜、冬眠から目覚め、カエル合戦の末、産卵する。翌日、田んぼを訪れると大小数十個の新鮮な卵塊があちこちにあらわれている。
昨年は冬の降雨量が例年にくらべて、目に見えて少なかった。その結果、観察地の田んぼでのたまごの初見日は、それまでが2月15~22日だったのが、昨年は3月4日と月をまたいでしまうほど遅かった。気になったので、美浜町の降雨量を調べてみると、2021~23年度の3年間の降雨量の平均が、12月67.5ミリ、1月23ミリ、2月62.5ミリであったのが、昨年は12月0.5ミリ、1月16.5ミリ、2月15ミリと、例年よりも圧倒的に少なかった。今年も、やはり雨は少ない。観察会までにまとまった雨が降ると良いのだが。
2月12日、奥田の田んぼにアカガエルのたまごを探しに行った。二日前に雨が降っていたのだが、田んぼの水の溜まり方は少ない。たまごは、まだ無かった。けれども少し離れた布土の田んぼでは、2つの卵塊が見つかった。春は、着実に近づいている。
田んぼの畦を歩いていると、林のすぐ上を一羽の猛禽が舞っていた。下から見ると羽の上部に黒い模様がある。ノスリ。そういえば、昨年11月の観察会でも恋の水神社から町民の森へと向かう途中で、見かけたことを思い出した。ノスリは、軽く旋回し、落葉樹にかこまれた常緑樹の葉叢の中に入っていった。巣があるのだろうか。
2年前の2月に、南知多町、美浜町を中心に鳥の観察を始め、これまで50種ほどの鳥の姿や鳴き声を確認してきた。観察で出会った猛禽を思い出してみると、まず一番見かけるのはトビ。南知多町大井には鳶ヶ崎という地名がある。その名が示す通り、大井一帯では、見上げればトビがいる。トビは知多半島の南北を問わず、海岸に行けば、一羽はいる印象である。内陸でもよく見かける。
数回出会ったのは、ミサゴ。陸の猛禽の代表格がタカであるのに対し、海の猛禽類といえば、ミサゴ。近年、鳥類の分類は、かつてと大きく変わってきているが、ミサゴ科はミサゴだけである。ミサゴは頭が白く、首から体に掛けて黒いバンドがある。他のワシタカと比べて羽が長く、スマートに見える。魚を狩猟するので、ため池にも来ている。
ノスリは、別の場所でも遭遇している。田んぼなどのカエルや小動物などをエサにするため、人の生活に近しい場所にいる。トビ、ミサゴ、ノスリは身近でもっともよく出会うワシタカである。ほかには、眺望の開けた高い丘でハイタカが遠くを飛んでいくのを見かけ、鳥の観察のときとは別になるが、ずいぶん前にツミとも出会った。オオタカは、私はまだ出会えていないが、30年前には、東海市の小学校に飛び込んできたことがあったそうだ。現在は周囲の環境が大きく変化しているため、そういったことは起こらないだろう。人々の生活のすぐ近くに、オオタカがいた頃のことを、今は想像するしかない。
ワシタカ以外の猛禽はというと、フクロウの仲間では、アオバズクが南知多町内海にはたくさんいたのだが、ほとんど姿を消している。夏の夜、ポッポッという声で鳴く。ホタルを探す時期とも重なってくるので、耳を澄まして、アオバズクの声も探してみようと思う。フクロウ、オオコノハズクもいた。オオコノハズクは、昨年末に熱田の神社でも目撃されている。名古屋市の真ん中にあっても、このフクロウの仲間はいて、ずっといるのか、それとも戻ってきたのかは分からないけれど、静かに生息している。
ハヤブサの仲間では、2月に名古屋市の平和公園でチョウゲンボウを見かけた。チョウゲンボウは都会のビルに巣を作ったりして、都市部でも強かに生きているそうだ。知多半島では、チゴハヤブサ、ハヤブサが、過去に目撃されている。
渥美半島の伊良湖岬では、タカの渡りが見られ、毎年そのピークの時期になると早朝から愛好家の方たちが集まって、その数を数えている。一昨年、観に行ったときには、全体の数は少なかったが、サシバが渡りの準備をしていた。伊良湖岬から飛び立った渡り鳥は、知多半島のそばを通っていく。今年こそは、知多半島で渡りの観察をしたい。
